にんにくの効果・効能について解説していきます。
にんにくは強い香りが特徴で、世界中で料理に使用されている有名な野菜です。滋養強壮のイメージでよく知られていますよね。
にんにくは、優れた栄養素をたっぷり含んでいて、素晴らしい健康効果がみられます。
中でも注目したいのは、にんにくの匂いの成分。あの独特な匂いの成分は、ただ強い香りを放っているだけでなく、すばらしい効果が潜んでいるのです。
そこで今回は、にんにくの効果・効能と効果アップのコツなどを紹介します。
「にんにく」とは
にんにく(大蒜)は「ネギ科」の植物で古くから世界中で食べられてきました。
主に。根っ子部分(球根)を食べますが、「ニンニクの芽」として茎の部分を食べる場合もあります。
にんにくには、昔から栄養が豊富で食べると「元気」になると言われて「強壮用」としても食べられてきました。
また、にんにくには、強い刺激的な「臭い」があり好まない人もいます。
実はこの臭いを放つ成分が、にんにくの優れた効果の元になっていると言われています。
にんにくの効果・効能
にんにくには、さまざまな効果・効能が期待できます。
血液サラサラの効果
にんにくには「血液をサラサラ」にする効果が期待できます。
その効果をもたらしてくれるのは、にんにくに含まれる2つの成分です。
- アリシンの血液サラサラ効果
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にんにくに含まれる「アリシン」は、血液をサラサラにしてくれる成分です。
これは、にんにく特有の匂いの成分。
元々、にんくには、ネギ類にも共通して含まれている「硫化アリル」という辛みの成分がありますが、刻んだり擦ったりすることで、硫化アリルの一部のアリインが酵素の働きによってアリシンに変化します。
このアリシンが、血液を固まりにくくして、血栓ができるのを防いでくれます。
さらに、アリシンは血中の善玉コレステロール増やして、悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。
これらの働きにより、動脈硬化の予防効果が期待できます。
- スコルニジンの血液サラサラ効果
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にんにくに含まれている「スコルニジン」も血液をサラサラにしてくれる成分です。
スコルニジンは、血小板の凝集を抑えて血流をスムーズにする効果や、新陳代謝を活発にする効果がみられます。
また、余分なコレステロールを排出する作用もあり、血流をスムーズにしてくれます。
滋養強壮・疲労回復の効果
にんにくには「滋養強壮・疲労回復の効果」が期待できます。
にんにくはスタミナの元として疲労回復や滋養強壮に効果があるとよく知られています。
これは、にんにくに含まれるアリシンとビタミンB1 の2つの働きによるものです。
そもそも、ビタミンB1には、糖質をエネルギーに変えて疲労を回復させる効果があります。
しかし、ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、身体に吸収されにくいというデメリットがありました。
しかし、にんにくに含まれるアリシンとビタミンB1が、体内で結びつくことによって「アリチアミン」という成分に変化。
このアリチアミンは、効率よく身体に吸収されて、体内に長く留まるという性質があります。
これにより糖質の代謝がよりスムーズに行われて、疲労の回復、滋養強壮に効果を発揮してくれるのです。
「タケダ製薬・アリナミン」と呼ばれるサプリメントをご存知の方も多いともいます。
何か名称が似ているように思いませんか?
実は、アリシンから作られる「アリチアミン」を更に改良した「プロスルチアミン」が主に配合されています。
殺菌作用
にんにくには「強い殺菌滋養強壮・疲労回復の効果」が期待できます。
またアリシンには、強力な殺菌作用もみられます。その効果は、“天然の抗生物質”と呼ばれるほど。
サルモネラ菌やチフス菌、コレラ菌などから身体を守る働きがあり、古くから食中毒予防の薬味として取り入れられてきました。
また風邪やインフルエンザ予防にも、効果を発揮します。
アンチエイジングの効果
にんにくには「アンチエイジングの効果」が期待できます。
アリシンには、活性酸素を除去する「抗酸化作用」も期待できます。
活性酸素は、私たちの身体をウィルスや細菌から守ってくれる頼もしい存在。
しかし、増えすぎると正常な細胞まで傷つけてしまい、これがあらゆる病気や老化の引き金になります。
特に、次のような方は活性酸素が増えやすいので要注意です。
- ストレスが多い方
- たばこを吸う方
- 紫外線を浴びる方
- 空気の悪い場所で生活している方
さらに、アリシンの抗酸化作用は、コレステロールの酸化を防いで、動脈硬化を予防します。
特に、悪玉コレステロール値が高い方にはおすすめ!
悪玉コレステロールが増えすぎると、血管に付着。これが活性酸素により酸化すると、血管にコブがつくられて、動脈硬化が進んでしまいます。
この動脈硬化が、脳梗塞や心筋梗塞などの命にかかわる重大な病気を招いてしまいます。
にんにくの抗酸化作用は、このような動脈硬化が招く重大な病気を予防することができるのです。
血糖値の上昇を防ぐ効果
にんにくには「血糖値の上昇を防ぐ効果」が期待できます。
アリチアミンによる糖の代謝をスムーズにする効果は、血糖値のコントロールにもつながります。
糖がさかんに燃焼されることで、血液中の糖が減少。血糖値の上昇を抑えることができるのです。
またアリチアミンは、体内でビタミンB6と結びつくことで、インスリンの分泌を促進!
これにより血糖値が下がり、肥満や糖尿病の予防につながります。
美肌効果
にんにくには「美肌効果」が期待できます。
さまざまな健康効果をもたらしてくれるにんにくですが、美容にもうれしい効果を発揮します。
アリシンによる抗酸化作用は、肌老化を予防します。
活性酸素が増加すると、正常な細胞のコラーゲンやエラスチンも攻撃されてしまい、これがしわやたるみを引き起こす原因となります。
また紫外線を浴びると、活性酸素のダメージから肌を守ろうとして、メラノサイトでメラニン色素がつくられます。この増えすぎたメラニン色素が、シミの原因になります。
これらの活性酸素の攻撃から、肌を守ってくれるのがにんにくに含まれるアリシン。
抗酸化作用により、しわ、たるみ、シミなどの老化から肌を守ってくれます。
効果的な食べ方
素晴らしい効果を発揮するにんにくですが、より効果をアップさせる方法があります。
細胞を壊して効果アップ
にんにくの細胞をしっかりと破壊することで効果アップが期待できます。
あらゆる健康効果をもたらすにんにくの匂い成分「アリシン」は、細胞が壊れることでつくられます。
調理の時には次の様な調理法を行いましょう。
- 刻む
- 擦る
- 潰す
にんにくの細胞を壊すとあの独特の刺激的なニオイが出てくるので、しっかりニオイが出るまで行うのが大事です。
10分程度放置する
さらに効果をアップさせるためには、刻む・擦る・潰すなどをしたあとに10分以上放置しましょう。
アリシンによる薬効やにんにく特有の香りもアップします。
調理の際、にんにくを先にカットしておくなどして、上手に取り入れてみてくださいね。
まとめ
にんにくの効果・効能について紹介しましたが、いかがでしょうか?
にんにくの強い香りの成分アリシンには、血液をサラサラにする効果や、抗酸化作用、抗菌作用、疲労回復効果など、あらゆる効果が期待できます。
これらの薬効をアップさせるためには、刻む・擦る・潰すなどで、細胞を壊してあげることが大切です。
毎日の食事に取り入れて、元気な体づくりに役立ていきましょう!