ジェネリック医薬品は危険って本当なのでしょうか?

盛んに病院や薬剤師が、あるいはTVCMでジェネリック医薬品の普及活動を行っているにも拘らず、巷では、ジェネリック医薬品は危険?という噂が広がっているようです。

「私なんか、ジェネリック医薬品を何年も飲んでいるのに、危険な薬だなんて!」と思っている人も多いのでは?

ジェネリック医薬品が危険と言われる理由について解説します。



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ジェネリック医薬品が危険と噂される理由

日本で販売されているジェネリック医薬品は、国家の機関である厚生労働省の承認を受けている由緒正しい医薬品です。

しかし、「火のない所には煙が立たない」とよく言います。

ジェネリック医薬品は危険という噂があるのならば、やはり、どこからか煙(理由)が立っていると考えなくてはいけません。

ジェネリック医薬品の前身は「ゾロ」と言われていた

日本は、先発医薬品(新薬)の特許がきれていない医薬品を他のメーカーが製造することを禁じています。

特許が切れると、色んなメーカーがゾロゾロと先発医薬品の後発医薬品を製造し始めました。

そのため、医療関係者たちはそれらを「ゾロ」と呼んでいました。

ジェネリック医薬品がゾロと呼ばれていた頃、粗悪な品質のものも少なくなかったと言われています。

今ほど厚生労働省の対応もあまり厳しくなかったようで、主成分の量が先発医薬品よりも少ない、薬の溶け方が違うなどで、効果もマチマチでした。

また、先発医薬品の注射液はキレイな透明であるにに対して、ゾロは浮遊物が混じっているなど、ウソのような本当の逸話が沢山、ありました。

医療関係者たちも危険視している!?

ジェネリック医薬品を推進する立場にある医療関係者たちがかつて、ゾロを扱っていたこともあり、現在もその当時のゾロのイメージを払拭できずにいる人の存在もその理由の一つとも考えられます。

立場上、ジェネリック医薬品を患者さんに勧めますが、本心はゾロをイメージしている人も少なくないでしょう。このような精神が患者さんにもいつのまにか、伝わっていくのかもしれません。

安い=粗悪?

前述したゾロのことは知らなくても、全く同じ成分の薬で価格が高いものと安いものがあれば、誰もが安い=粗悪と考えても当然かもしれません。

ファッション関係に例えると、本物のエルメスのバッグとデザインは似せているけど、エルメスではないバッグがあります。似せているほうは凄く安いけれど、よく見ると、縫製が雑だったり、材質が劣悪だったりしますよね。

おそらく、現在のジェネリック医薬品と先発医薬品もこのような関係と思われていることもジェネリック医薬品が危険と考えられている理由でしょう。

ましてや、口の中に入れるものということもあって、何かあれば、バッグのように「縫い目が雑だったから紐が切れたのね」だけでは終わりませんから。

現在のジェネリック医薬品

以前のゾロの時代と比べ、現在のジェネリック医薬品は厚生労働省が規定する非常に厳しい条件をクリアしています。

どのような経緯で、現在のジェネリック医薬品の立ち位置が決められたのでしょうか?

ジェネリック医薬品とは?

主成分の量と効果、安全性が新薬とも言われる先発医薬品と同じものであり、厚生労働省が指定する試験をクリアした医薬品をジェネリック医薬品と言います。

但し、特許の関係、安定性の維持などで賦形剤などの添加物を変えてある場合もありますが、あくまでも先発医薬品と同じ効果、安定性を保った状態の中でのことです。

ゾロの時代よりも厳しい試験を受けている

医薬品は出来上がるまでに、厚生労働省が規定するあらゆる試験をクリアしなくてはいけません。

特に新薬の先発医薬品の試験は取り分け厳しいものがあります。

1970年代までのゾロと言われていた後発医薬品は、生物学的同等性試験という先発医薬品と同じ効果を持つことを証明する試験はヒトではなく、動物に対しての試験にクリアすれば、OKでした。

しかし、現在、厚生労働省はヒトに対して、飲んだ後、先発医薬品と同じような血中濃度になるかどうかなどの試験結果の提出を義務付けています。

その他にも品質の安定性をみるため、高温多湿の環境にジェネリック医薬品を置き、品質が劣化していく時間や過程のデータも提出しなければいけません。

このような品質の安定性試験を以前は、義務づけられていませんでした。

ゾロとジェネリック医薬品の基準が違う

1996年の時です。ジェネリック医薬品の承認を受ける時、厚生労働省が定めた色んな試験データを提出します。

このとき、承認を受ける医薬品がすでに市場に出ている薬と同じであることの証明を文書化することを義務づけられました。これを「実生産バリデーション」と言います。

何故、厚生労働省は実生産バリデーションを導入したのでしょうか?

これも例のゾロ時代に苦い経験から来るものです。

当時はこのような規定を設けていなかったこともあって、実生産バリデーションを行うメーカー、行なわないメーカーとマチマチでした。そのため、厚生労働省が承認した後発医薬品が、市場に出ている薬と同品質とはいえないものも出ていた可能性がありました。

そこで1997年、ヒトによる生物学的同等性試験や実生産バリデーションを行なわずに市場に出ていた後発医薬品を調べ上げ、厚生労働省はそれらすべてに対して再評価を実施しました、このとき調べられた後発医薬品は5000品目以上と言われています。

この再評価をクリアした後発医薬品が、正式にジェネリック医薬品として認可されていきました。

現在のジェネリック医薬品は安全

上記のように現在はジェネリック医薬品の承認を受けるには、非常にハードルが高くなっています。

言い方を変えれば、ゾロと言われていた後発医薬品に比べて、品質、安全性が向上しているということになります。

このように、非常に信頼できるところまで上りつめたジェネリック医薬品ですが、全く問題点がないわけではありません。

まだまだ、問題点は残存しているとも言われています。

ジェネリック医薬品の問題点

国がジェネリック医薬品を使用するように医療関係者、患者さんたちにしきりに呼びかけています。

何故でしょうか?

また、高い品質向上が見られるとはいえ、まだまだ、先発医薬品と比較すると、色んな問題点があるようです。

健康保険の財政圧迫

ジェネリック医薬品を推進する理由に、日本国民のほとんどが加入している健康保険の財政困難が言われています。

その中でも大きな問題が高齢者の医療費です。高齢者は老化に伴い、病気が多発しやすく、1人当たりの医療費が高額になりがちです。

高齢者人口が雪だるま式に増え続けている現在、将来を見据え、少しでも医療費を減らすために先発医薬品より安価なジェネリック医薬品の普及に力を入れているわけです。

ただ、ジェネリック医薬品を使用するかしないかの最終決定権は、患者さんにあることを忘れないでください。

いくら、薬剤師がジェネリック医薬品を勧めても、嫌なら断固として拒絶してもいいのです。

品質が先発医薬品に追いついていないジェネリック医薬品がある

全く、問題のないジェネリック医薬品の方が多い中、トラブルを抱えたジェネリック医薬品も存在しているようです。

先発医薬品と同量で同じ成分が入っていたとしても、賦形剤などの添加物が違うと、主成分の吸収率や分解率に差がでてくる可能性があります。

つまり、これらの差は薬の効き方にも影響をあたえていると言う意見もあります。

湿布薬もジェネリック医薬品になると、粘着力が低下してすぐにはがれてしまうこともあります。

錠剤も先発医薬品よりも割れやすかったり、錠剤の色が手についたりといったトラブルの報告があります。

まとめ

ジェネリック医薬品について解説しましたが、いかがだつたでしょうか?

現在は、ほとんどのジェネリック医薬品は「安全」だと考えれます。

ただ、先発医薬品と全く同じだとは言えないのも事実なので、知っておく必要があります。

ジェネリック医薬品を選ぶは、個人の判断になります。

※本記事は「薬剤師」さんの監修によるものです。



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